東京地方裁判所 昭和45年(借チ)7号 決定
〔主文〕1 別紙目録記載の土地賃貸借契約の目的を堅固建物所有に変更し、賃料を本裁判確定の月の翌月分から3.3平方米当り月額二八〇円に改める。
2 申立人は、相手方に対し、金三四〇万円の支払をせよ。
〔理由〕1 申立人は、相手方から、別紙目録2記載の土地四五坪(以下本件土地という。)を建物所有の目的で賃借中にして、同地上に木造二階建居宅、店舗兼診療所一棟床面積一階三七坪七合一勺二階三八坪一合二勺を所有している。右借地契約の現在の内容は別紙目録記載のとおりである。
2 本件土地附近は、契約時は殆ど木造の建物であつたが、その後防火地域の指定を受け、最近は鉄筋等の高層建築が急速に建設されつつあるので、借地契約の目的を堅固建物所有に変更したいが相手方と協議が調わないので、右変更の裁判を求める。
(決定理由)
1 本件の資料によれば、申立の要旨として掲げた前記の事実のほか、本件土地附近は、防火地裁、商業地域の指定を受け、建物の高層化が進められていることが認められているので、本件申立は、これを認容すべきである。
2 附随処分
申立認容の裁判に伴い、借地上の建物の耐用年数は著しく延長され、一方、申立人は、本件土地を従前よりはるかに効率的に利用することができるので、当事者間の利益の衡平を図るため、申立人に対し相手方に対する財産上の給付を命ずるのが相当である。鑑定委員会は、給付を命ずべき額を残存期間を考慮し、
を相当とする意見を提出したが、同種事件の従来の鑑定委員会の意見および当裁判所の裁判例に徴するとき低きに失するので、給付額は、更地価格(鑑定委員会の意見に従い一平方米二二万八、〇〇〇円と認める。)の約一〇%に当る金三四〇万円を相当とする。
本件借地契約の期間は三〇年であるので、借地契約の目的の変更は右期間に影響を及ぼさないのであるから、借地期間を変更する要を見ない。
賃料は、鑑定委員会の意見に従い、3.3平方米当り月額二八〇円に改めるのを相当とする。(小山俊彦)
目録
(土地賃貸借契約)
1 当事者
賃貸人 相手方
賃借人 申立人
2 借地
東京都中野区中央五丁目五〇番
宅地 1226.77平方米(371坪2合)
の内 148.76平方米(45坪)
3 目的
非堅固建物所有
4 期間
昭和二二年一〇月二八日から昭和五二年一〇月二七日まで
5 賃料
一カ月九〇〇円